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3 出力トランスの選定と特性の測定

今回の試作アンプは, 使用場所の都合により小型にまとめあげる必要があります. こうなると,出力トランスの選択肢はとても狭くなります. 負帰還量が多いため,高域特性が素直な出力トランスが必要で, また低域のスタガー比を稼ぐために,1次インダクタンスが相当大きなものが必要です.

残念ながら,小型のOPTでこの両者の条件を満たすものは見つかりません. 1次インダクタンスの大きさに目をつぶって,ISO TANGO FE-10-8を使用することにしました.

2に,FE-10-8の実測の周波数特性を示します. 赤色の線は, rp = 8 kΩ で駆動した場合, 青色の線は, rp = 2.44 kΩ (6DE7の内部抵抗)で駆動した場合です. 実線は実測の特性で,破線はSPICEによるシミュレーション結果です.

図 2: 出力トランスFE-10-8の周波数特性
\includegraphics[scale=0.8]{FE-10-8_freq.ps}

SPICEのモデルは,次のようになりました.

3.0.0.1 FE-10-8.cir

    1 *
    2 *   TANGO FE-10-8
    3 *
    4 .SUBCKT FE-10-8 P1 B1 B2 P2 S16 S0
    5 *   1次インダクタンス(p-p 8kohm *)
    6 L11 P1 12 25.28
    7 L12 13 P2 25.28
    8 *   1次巻線抵抗
    9 *R11 12 B1 157.5
   10 *R12 B2 13 135.1
   11 R11 12 B1 146.3
   12 R12 B2 13 146.3
   13 *   1次巻線浮遊容量
   14 C11 P1 B1 538p
   15 C12 P2 B2 538p
   16 *   鉄損
   17 RI1 P1 12 125k
   18 RI2 P2 13 125k
   19 *   2次インダクタンス(16ohm)
   20 L2 S16 16 0.2182538
   21 *   2次巻線抵抗
   22 R13 S0 16 0.92
   23 *   結合係数
   24 K1 L11 L2  0.9998885
   25 K2 L12 L2  0.9998885
   26 K3 L11 L12 0.999779
   27 .ENDS


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Ayumi Nakabayashi
平成19年7月1日