同じ動作点で通常のPK分割を構成し, 同じ入力電圧に対する出力電圧と歪率を比較してみました.
項目 | ハイゲイン | PK分割 |
入力電圧( Vp ) | 1.2 | 1.2 |
初段歪率(%) | 1.000 | 3.551 |
プレート側出力電圧( Vp ) | 33.64 | 23.34 |
プレート側歪率(%) | 0.288 | 3.293 |
カソード側出力電圧( Vp ) | 33.64 | 23.34 |
カソード側歪率(%) | 0.658 | 3.293 |
ハイゲインPK分割位相反転回路では,カソード側の歪率がプレート側よりも悪くなっています. これは,カソードの抵抗に初段の電流も流れるため, 歪の打ち消しがプレート側よりも弱くなっているためです. カソード側で比較しても,通常のPK分割と比べて歪率が約1/5となり, なおかつ出力電圧も高くとれるので, 通常のPK分割を使うメリットはほとんどないと言ってよいでしょう.
ayumi