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オーディオアナライザの発振器からトランスミッタに入力し,
チューナー()の出力をオーディオアナライザの測定部に入れて測定しています.
測定のレベルは,チューナーの出力で,
オリジナル回路の場合は 0.1 V (約20%変調),
改造回路の場合は 0.12 V (約25%変調)としています.
これはプリエンファシス後で高域で過変調にならないようにするためです.
オリジナル回路(赤)では
10 kHz 以上で上昇していますが,
これはサブキャリアとのビートが生じているようで,
音としてはジャリジャリして聴くに堪えないと思います.
改造後(緑)は,少し高域が落ちますが,これはNJM2035の特性のようです.
左チャンネルに周波数特性測定時と同じ入力を与え,
右チャンネルの出力を測定し,
1 kHz の左チャンネルの出力を 0 dB として表示したものです.
オリジナル回路(赤)では十分なセパレーションが取れておらず,
高域では急激に悪化します.
さらに
10 kHz を超えると,反対チャンネルへの漏れのほうが大きくなります.
改造後(緑)では中域で 25 dB 程度のセパレーションが得られており,
NJM2035の規格どおりと言えます.
1 kHz の入出力特性です.
改造後(緑)は,半固定抵抗を半分に絞った(-6 dB)ときに適正なレベルになるよう
ゲインを定めています.
オリジナル(赤)はゲインが高すぎて,うまく使いこなせないでしょう.
1 kHz の出力対歪率特性です.
ハムの影響を除くのと,
高域の雑音を除くため,
400 Hz のHPFと,
30 kHz のLPFを通してあります.
オリジナル回路(赤)では全体的に大きな歪みが発生しており,
出力 0.5 V (約100%変調)が使用上の限界のようです.
改造後(緑)では100%変調時で歪みが1/8程度になっており,
Hi-Fi化がある程度達成できました.
また深い変調時でも歪みの発生が押さえられています.
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Ayumi Nakabayashi
平成19年10月20日