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1 ポールが一つある回路の周波数特性

ポールが一つしかないアンプに,いくら大量の負帰還をかけても, 周波数特性が暴れたり,発振したりすることはありません. しかし,まずはポールが一つある回路の振る舞いをよく理解しましょう.

ポールが一つある回路の例は, 図1のようなローパスフィルタです.

図 1: ローパスフィルタの回路
\begin{figure}\input{figs/lowpass}
\end{figure}

この回路のゲイン G と位相の周波数特性は, 図2の細線のようになりますが, このような曲線は取り扱いにくいので, 太線のように折れ線で近似することにします.

図 2: ローパスフィルタの周波数特性
\begin{figure}\input{figs/lowpassfreq}
\end{figure}
ここで,fc はカットオフ周波数で,

fc = $\displaystyle {\frac{{1}}{{2 \pi C R}}}$ (1)
です. この回路のポールは fc にあります. ゲインは,ポールの周波数までは平坦で, そこから -20 dB/dec で下降します. 位相は,ポールの 1/10 の周波数から遅れ始め, ポールの周波数では45度遅れ, ポールの10倍の周波数で90度遅れ, その先は90度の遅れで一定です.



Ayumi Nakabayashi
平成17年6月16日