Next: 2 QUAD IIタイプミニアンプの周波数特性
Up: Quad IIタイプミニアンプと位相補償
Previous: Quad IIタイプミニアンプと位相補償
ポールが一つしかないアンプに,いくら大量の負帰還をかけても,
周波数特性が暴れたり,発振したりすることはありません.
しかし,まずはポールが一つある回路の振る舞いをよく理解しましょう.
ポールが一つある回路の例は,
図1のようなローパスフィルタです.
図 1:
ローパスフィルタの回路
|
この回路のゲイン G と位相の周波数特性は,
図2の細線のようになりますが,
このような曲線は取り扱いにくいので,
太線のように折れ線で近似することにします.
図 2:
ローパスフィルタの周波数特性
|
ここで,fc はカットオフ周波数で,
fc =
|
(1) |
です.
この回路のポールは fc にあります.
ゲインは,ポールの周波数までは平坦で,
そこから
-20 dB/dec で下降します.
位相は,ポールの 1/10 の周波数から遅れ始め,
ポールの周波数では45度遅れ,
ポールの10倍の周波数で90度遅れ,
その先は90度の遅れで一定です.
Ayumi Nakabayashi
平成17年6月16日