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2.8 交流負荷

実際の電圧増幅回路では, 出力に次段の電圧増幅回路や電力増幅回路が接続され, 交流的にはそのグリッド抵抗 Rg2 が負荷として加わります.

カソード接地回路において,このようすをプレート特性曲線上で見ると, 図2.37のようになります. ここでは, Rg2 = 100 kΩ としています. 次段のグリッド抵抗を考慮したロードラインは,緑色の線です. ロードラインが立ってきて,出力電圧が下がり,歪みが多くなっています. 一般に,次段のグリッド抵抗の大きさは,負荷抵抗 RL の2倍以上にとります.

図 2.37: 交流負荷を考慮したカソード接地回路のロードライン
\includegraphics{figs/com_k_ac.ps}

カソード接地やプレート接地(自己バイアス2を除く),グリッド接地等では, Rg2RL と並列になるので, RLac = RL//Rg2 として, これを増幅度や出力インピーダンスの式に入れてやれば, 小信号解析の結果をそのまま使えます.

伝達特性を求める関数 trans.vol などは, 負荷抵抗として RLac を指定し, さらに電源電圧として次のような交流等価電源電圧 Ebbac を指定して やれば使えます.

Ebbac = Ep0 + Ip0RLac (2.56)

2.37の点を求めるには,次のように入力します.

> z0 <- trans.vol(t12AU7, ei=0, Ebb=250, Eg0=-6, 22e3)
> RLac <- 22e3 %p% 100e3        # %p% は並列抵抗を求める演算子
> RLac                          # 交流負荷抵抗
[1] 18032.79
> Ebbac <- z0$Ep + z0$Ip * RLac     # 交流等価電源電圧
> Ebbac
[1] 232.7067
> ei <- c(0, 6, -6)
> trans.vol(t12AU7, ei=ei, Ebb=Ebbac, Eg0=-6, Rp=RLac)
$Ip
[1] 0.004359060 0.008563391 0.001418526
$Eo
[1] 154.10068  78.28488 207.12670
$Ep
[1] 154.10068  78.28488 207.12670
$Ek
[1] 0 0 0
$Eg
[1]  -6   0 -12


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Ayumi Nakabayashi
平成19年6月28日