カソード接地回路において,このようすをプレート特性曲線上で見ると, 図2.37のようになります. ここでは, Rg2 = 100 kΩ としています. 次段のグリッド抵抗を考慮したロードラインは,緑色の線です. ロードラインが立ってきて,出力電圧が下がり,歪みが多くなっています. 一般に,次段のグリッド抵抗の大きさは,負荷抵抗 RL の2倍以上にとります.
カソード接地やプレート接地(自己バイアス2を除く),グリッド接地等では, Rg2 は RL と並列になるので, RLac = RL//Rg2 として, これを増幅度や出力インピーダンスの式に入れてやれば, 小信号解析の結果をそのまま使えます.
伝達特性を求める関数 trans.vol などは, 負荷抵抗として RLac を指定し, さらに電源電圧として次のような交流等価電源電圧 Ebbac を指定して やれば使えます.
Ebbac = Ep0 + Ip0RLac | (2.56) |
図2.37の点を求めるには,次のように入力します.
> z0 <- trans.vol(t12AU7, ei=0, Ebb=250, Eg0=-6, 22e3) > RLac <- 22e3 %p% 100e3 # %p% は並列抵抗を求める演算子 > RLac # 交流負荷抵抗 [1] 18032.79 > Ebbac <- z0$Ep + z0$Ip * RLac # 交流等価電源電圧 > Ebbac [1] 232.7067 > ei <- c(0, 6, -6) > trans.vol(t12AU7, ei=ei, Ebb=Ebbac, Eg0=-6, Rp=RLac) $Ip [1] 0.004359060 0.008563391 0.001418526 $Eo [1] 154.10068 78.28488 207.12670 $Ep [1] 154.10068 78.28488 207.12670 $Ek [1] 0 0 0 $Eg [1] -6 0 -12