入力端子と出力端子の間の電圧は,ei + eo で, これが Rs + Rf の両端に加わっていることになります. 信号が加わっても常に 0 V になっている点があり, それは,Rf を 1 : A に内分した点です. A は負帰還が掛かっていない場合のゲインです. 入力信号 ei は,Rs と Rf/(1 + A) で分割され eg となって グリッドに加わります.
eg = ei | (1) |
eo = Aeg = Aei | (2) |
Af | = | = A | |
= | = | ||
= | . | (3) |
通常の負帰還と同様に, = Rs/(Rs + Rf) とおくと,
A = (1 - ) | (4) |
まず,入力信号だけを考えます. このとき,出力電圧は0として,グリッドに生じる電圧を求めます. 図3 (a)より, グリッドにおける入力電圧 ei' は,
ei' = ei | (5) |
次に,出力信号だけを考えます. 入力電圧を0として,グリッドに生じる帰還電圧を求めます. 図3 (b)より, グリッドにおける帰還電圧 ef は,
ef = eo | (6) |
グリッドにおける入力電圧 ei' から帰還電圧 ef を引いたものが, 正味のグリッド入力 eg になり, その A 倍が出力 eo になります.
eo = Aeg = A(ei' - ef) | (7) |
2つの図を重ね合わせると,図3 (c)のようになります. すなわち,帰還率が = Rs/(Rs + Rf) の負帰還増幅器に, ei' の入力を加えたとみなすことができます.