プレート電圧が
Ep
上昇したとき,
プレート電流が
Ip
増えた場合,
多極管接続の内部抵抗 rp
は,
rp =
|
(3.6) |
で定義されます.
6L6-GCの
Eg2 = 250 V
におけるプレート特性図の一部を,
図3.7に示します.
動作点Oは,
Ep0 = 250 V
,
Eg0 = - 20 V
です.
この図において,
Ep
はOBの長さ,
Ip
はBAの長さです.
図より
Ip = 0.178 mA
なので,この動作点における内部抵抗は,
rp = = 56.2 [kΩ]
|
(3.7) |
となります.
図 3.7:
UL接続時の内部抵抗
|
一次巻線に対するSGタップの比率を
とします.
この場合,プレート電圧が
Ep
上昇すると,
スクリーングリッド(G2)の電圧は,
Ep
上昇します.
を一般的な値である0.43とし,
Ep = 10 V
とすれば,G2は
0.43 x 10 = 4.3 V
上昇します.
G2の電圧が 1 V
上がることは,
コントロールグリッド(G1)の電圧が
1/μg1-g2 V
上がることと等価です.
ここで,
μg1-g2
は,G1-G2間の増幅率です3.1.
したがって,プレート電圧が
Ep
上がったときのプレート電圧とプレート電流の関係は,
グリッド電圧が
Ep/μg1-g2
上がった特性曲線で表されます.
この例の場合,
μg1-g2 = 7.73
ですので,等価的なグリッド電圧の上昇分
Eg
は,
となります.
このグリッド電圧の上昇に対して,プレート電流は
gmEg
だけ増えます.
この増分は,図3.7のACの大きさです.
これより,UL接続の場合,プレート電圧が
Ep
上昇したとき,
プレート電流は,
だけ増えます.
これは,図のBCの大きさです.
したがって,UL接続時の内部抵抗
rp(UL)
は,
rp(UL) |
= |
|
|
|
= |
|
|
|
= |
|
(3.10) |
|
|
|
|
|
= |
rp// |
(3.11) |
となります.
一般に
rp rp(T)
なので,
UL接続時の内部抵抗は,
rp(UL)
|
(3.12) |
と近似できます.
また,式(3.10)をさらに変形すると,
rp(UL) = =
|
(3.13) |
となります.
図の例の場合,
gm = 3.873 mS
なので,式(3.9)より,
Ip(UL) = 0.178 + = 2.332 [mA]
|
(3.14) |
ですから,UL接続時の内部抵抗
rp(UL)
は,
rp(UL) = = 4.29 [kΩ]
|
(3.15) |
となります.
ここまでの計算では,スクリーングリッド電流の寄与分を考えていませんでしたが,
これを考慮するには,gm
の代わりに
gm(UL) = gm(1 + Ig20/Ip0)
を使います.
rp(UL) =
|
(3.16) |
ayumi
2016-03-07