ヒーター電源は,LM350T (LM317Tでも可)を使ったスロースタート型の 定電圧電源とした. この定数で,電源投入時であっても定格の1.2倍程度の電流しか流れない. これで,一部メーカーの真空管に見られる ヒーターが一瞬ピカッと光るのを防げるだろう. カソードフォロワーがあることから,60 V 程度のヒーターバイアスを掛けている. カソードフォロワーに使用している12AU7 の定格では, 200 V の耐圧があるため, ヒーターバイアスは必ずしも必要ではないが, 初段のヒーターエミッションを防ぐためもあり採用している.
図15にシミュレーションによる電源投入時のヒーター電圧上昇特性と,
スロースタート回路の有無によるヒーター電流の違いを示す.
ヒーターのモデルとしては,Duncan's Amp Pages
(http://www.duncanamps.com/)の 12AX7 のものを 12.6 V に修正して使っている.
スロースタート回路がない場合は,電源投入時に 1 A を超える電流が流れるが,
スロースタート回路により,電源投入時からほぼ一定の電流に抑えることができる.