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4 電源

電源投入時にアンプ部に急激に電圧が掛からないようにするため, B電源は6X4による両波整流とした. リップルが十分小さくなるよう,チョークコイルによるフィルターを入れ, その後は,クロストーク対策のため,左右別々のデカップリングを施す.
図 14: 電源部回路図
\begin{figure}\input{schematic_ps}
\end{figure}

ヒーター電源は,LM350T (LM317Tでも可)を使ったスロースタート型の 定電圧電源とした. この定数で,電源投入時であっても定格の1.2倍程度の電流しか流れない. これで,一部メーカーの真空管に見られる ヒーターが一瞬ピカッと光るのを防げるだろう. カソードフォロワーがあることから,60 V 程度のヒーターバイアスを掛けている. カソードフォロワーに使用している12AU7 の定格では, 200 V の耐圧があるため, ヒーターバイアスは必ずしも必要ではないが, 初段のヒーターエミッションを防ぐためもあり採用している.

15にシミュレーションによる電源投入時のヒーター電圧上昇特性と, スロースタート回路の有無によるヒーター電流の違いを示す. ヒーターのモデルとしては,Duncan's Amp Pages
(http://www.duncanamps.com/)の 12AX7 のものを 12.6 V に修正して使っている. スロースタート回路がない場合は,電源投入時に 1 A を超える電流が流れるが, スロースタート回路により,電源投入時からほぼ一定の電流に抑えることができる.

図 15: ヒーターの電圧と電流(シミュレーション)
\includegraphics[scale=0.75]{sim_hreg.ps}


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Ayumi Nakabayashi
平成19年7月7日