Subsections

1 設計

定インピーダンスアッテネータの設計法については, 定インピーダンスアッテネータとフィルタで解説しています.

パッシブのアッテネータとなるので, アッテネータのインピーダンスは, 雑音を拾いにくく,シールド線の線間容量の影響を受けにくい600$ \Omega$としました. 形式は,抵抗の本数が少なくて済む橋絡T型としました.

それでもスイッチの回路数はステレオで4回路になります. 接点数が12を超えると4段のロータリースイッチが必要となってしまい, 5,000円以上してしまいます. 接点数が12であれば,2段4回路12接点のロータリースイッチがあり, 3,000円程度で購入できるので,これを用いることにしました.

アッテネータの構成は,10dBステップで60dBまで減衰できるもの, 1dBステップで10dBまで減衰できるもの, 左右のバランスを0.5dBステップで2dBまで調整できるもの, の3ステージ構成としました.

図 1: ブロックダイアグラム
\begin{figure}\input{figs/block}
\end{figure}

あとで調べてみると,KENWOODなどの測定用アッテネータでは, 0.1dBステップ,1dBステップには橋絡T型を使っていますが, 10dBステップにはT型の入出力を切り替えていますし, 30dBステップではT型を2段縦続接続しています. 橋絡T型で60dBの減衰を得ようとすると,0.6$ \Omega$の抵抗が必要になってしまい, 精度が保証できなくなるためと考えられます.

抵抗は1%精度の金属皮膜抵抗を使い,計算値に近くなるよう,適宜直列,並列接続を行います. 100$ \Omega$以下では,E24系列すべての値が店頭にあるわけではないので, 組み合わせに注意が必要です.

図 2: 各ステージの橋絡T型アッテネータ
\begin{figure}\input{figs/BTatt}
\end{figure}

各ステージの抵抗値は以下のとおりです.

1.0.0.1 ステージ1

減衰量(dB) R1 (理論値) R1 (実際) R2 (理論値) R2 (実際)
10 1.2974k 1.3k 277.49 7.5+270
20 5.4k 2.7k+2.7k 66.667 120//150
30 18.374k 360+18k 19.593 36//43
40 59.4k 3.3+56k 6.0606 6.2//270
50 189.14k 9.1k+180k 1.9034 2.2//15
60 599.4k 300k+300k 0.6006 1//2.2//4.7

1.0.0.2 ステージ2

減衰量(dB) R1 (理論値) R1 (実際) R2 (理論値) R2 (実際)
1 73.211 110//220 4.9173k 620+4.3k
2 155.36 160//5.6k 2.3173k 820+1.5k
3 247.52 7.5+240 1.4544k 2.2k//4.3k
4 350.94 51+300 1.0258k 27+1k
5 466.97 510+5.6k 770.93 91+680
6 597.16 820//2.2k 602.86 43+560
7 743.23 62+680 484.37 560//3.6k
8 907.13 1.3k//3k 396.86 6.8+390
9 1.091k 91+1k 329.96 330
10 1.2974k 1.3k 277.49 7.5+270

1.0.0.3 ステージ3

減衰量(dB) R1 (理論値) R1 (実際) R2 (理論値) R2 (実際)
0.5 35.552 36//3k 10.126k 130+10k
1 73.211 110//220 4.9173k 620+4.3k
1.5 113.10 120//2k 3.183k 180+3k
2 155.36 160//5.6k 2.3173k 820+1.5k