初段の動作点をOとします. 動作点のプレート電圧を Ep0 , グリッド電圧を Eg0 , プレート電流を Ip0 とします. ここに入力電圧 ei を加えた場合を考えます. プレート特性図を図3に示します.
初段の出力電圧を eo , 位相反転のカソード側出力を eok とします. 位相反転段のゲインを A2 とすれば,
eok = A2eo | (18) |
この電圧が,ブートストラップ用のコンデンサを通じてプレート負荷抵抗に加えられるため, Rp1 の下側の電圧は,無信号時よりも | eok| だけ低くなります. したがって,ロードラインは左側に | eok| だけずれた状態になります. このずれたロードラインと, Eg = Eg0 + ei のプレート特性曲線が交わったところ(点C)が,信号 ei を加えたときのプレート電圧とプレート電流になります.
この時のプレート電流の変化を ip
とすると,図より,
eo + DA | = | A2eo | (21) |
- ei + BD | = | eo | (22) |
DA | = | - (1 - A2)eo | (23) |
BD | = | ei + eo | (24) |
- (1 - A2)eo | = | ipRp1 | (25) |
ei + eo | = | iprp1 | (26) |
= | |||
+ eo | = | ||
eo | = | - | |
{(1 - A2)rp1 + Rp1}eo | = | - Rp1ei | |
eo | = | ei | |
A1 | = | (27) |
ip | = | = | |
= | |||
Rp1' | = | (28) |
次に,位相反転段のゲインの求め方ですが, 正確にはブートストラップコンデンサを経由して 初段から流れてくる電流(ip )も考慮しなければならないのですが, グラフでわかるように,みかけのインピーダンスが非常に高くなっており, 仮に Rp1 = Rk2' としても,ip は ip2 よりも一桁以上小さいため, 無視してゲインを計算してもよいでしょう.
ayumi