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2.5 2次歪みによるプレート電流の増加

2.1.4節で, 「信号入力時の平均プレート電流 Ipavg は, 無信号時のプレート電流 Ip0 と比べて, 第2高調波の波高値 h2 だけ増加します」と書きましたが, これは,信号を入れた直後の状態について述べたものであり, 時間が経過すると,出力トランスやカソードバイパスコンデンサの時定数により, プレート電流の平均値は複雑なふるまいをします.

2.5.1 固定バイアスの場合

2.2節の2A3シングルを例にします.

2.14からわかるように, 1サイクルの平均プレート電圧は,243.2V で, これは無信号時のプレート電圧 Ep0 = 250 V よりも低くなっています. この点は,図2.30の点Xです.

図 2.30: 固定バイアスの場合のプレート電流の増加
\includegraphics{figs/trise_ll_fix.ps}
プレート電圧の平均値は, 出力トランスのインダクタンスの働きにより, 電源電圧の 250V に戻ろうとします. その結果,動作点はO'に移り, プレート電圧とプレート電流の平均値はX'になります. 平均プレート電圧は 249.1V となっていますが, この例の場合,出力トランスの一次巻線抵抗を 100 Ω としており, プレート電流の増分 69.4 - 60.0 = 9.4 mA の分だけプレート電圧が下がるからです.

これをシミュレーションで確かめてみましょう. 回路は,図2.31のようになります. TX1は理想トランスであり,巻線抵抗がないので,R1を加えています. 一次インピーダンスを 2.5 kΩ にするため, 巻数比は巻線抵抗を引いた $ \sqrt{{2400}}$ : $ \sqrt{{8}}$ = 1 : 0.05773503 とします.

図 2.31: プレート電流の増加を確認する回路(固定バイアス)
Image 2A3_fix_sch

プレート電圧(VP)およびプレート電流(IP)の波形は, 図2.32のようになります.

図 2.32: プレート電流の増加(固定バイアス)
Image 2A3_fix_wf1
プレート電流が増える時定数は,

T = $\displaystyle {\frac{{L_p}}{{r_p}}}$ (2.64)
で,この例の場合, Lp = 10 H , rp = 809 Ω ですから, T $ \approx$ 12 ms となり,この5倍の約 60ms 後にはほぼ定常状態になります. 70ms-80ms を拡大したのが,図2.33です.
図 2.33: プレート電流の増加(固定バイアス: 70ms-80ms)
Image 2A3_fix_wf2
プレート電圧およびプレート電流は,図2.30で示した値とほぼ一致しています.

プレート電流の増分を求めます(図2.34).

図 2.34: プレート電流の増加を求める(固定バイアス)
\begin{figure}\input{figs/se_fix_Ip}
\end{figure}
Xは,動作点がOのときの信号入力時の平均プレート電圧・電流の点で, 平均プレート電流と動作点の電流の差 $ \Delta$Ip' は, 信号入力時にカットオフまでスイングされると仮定すれば, 歪率を D とすると

$\displaystyle \Delta$Ip' = DIp0 (2.65)
で表せます. このときのプレート電圧の変化 $ \Delta$Ep' は,

$\displaystyle \Delta$Ep' = $\displaystyle \Delta$Ip'RL (2.66)
となります.

プレート電圧の平均値は, 無信号時のプレート電圧に戻ろうとします. 出力トランスの巻線抵抗を無視すれば, X'はOを通る垂線上に来ます. 一方,グリッドバイアスは変化しないので, 信号入力時の動作点O'は, Eg = Eg0 の特性曲線上にあります. OとXの差と,O'とX'の差はほぼ等しいとみなせますから,

BX' = $\displaystyle \Delta$Ip' = DIp0 (2.67)
BO' = $\displaystyle \Delta$Ep' = DIp0RL (2.68)
OB = $\displaystyle {\frac{{\Delta E_p'}}{{r_p}}}$ = $\displaystyle {\frac{{D I_{p0} R_L}}{{r_p}}}$ (2.69)

となります. したがって,プレート電流の増分 $ \Delta$Ip は,

$\displaystyle \Delta$Ip = DIp0$\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p}}}$ + DIp0 = DIp0$\displaystyle \Bigl($1 + $\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p}}}$$\displaystyle \Bigr)$ (2.70)
となります.

この例の場合は,歪率を5%とすれば,

$\displaystyle \Delta$Ip = 0.05 . 0.06$\displaystyle \Bigl($1 + $\displaystyle {\frac{{2500}}{{809}}}$$\displaystyle \Bigr)$ = 12.4 [mA]

となります.

2.5.2 自己バイアスの場合

自己バイアスの場合,最終的には平均プレート電流がカソード抵抗に流れたときに生じた電圧がバイアスになります. 2次歪みがあると,プレート電流が増え,バイアスが深くなり,プレート電圧が下がります. 図2.35に,この様子を示します.
図 2.35: 自己バイアスの場合のプレート電流の増加
\includegraphics{figs/trise_ll_self.ps}
信号入力時の平均プレート電圧・電流の点X'は,直流ロードラインよりも左側にあります. バイアス電圧は,-43.5 V から -44.92 V へと変化し, その分,プレート電圧が下がるからです. 信号入力時の動作点O'は,深くなったバイアスに対応する特性曲線上にあります.

シミュレーションの回路は,図2.36のようになります. プレート電圧,プレート電流の変化は,図2.37に示したように, いったんプレート電流が増えた後,定常状態に向けて電流が減っていきます.

図 2.36: プレート電流の増加を確認する回路(自己バイアス)
Image 2A3_self_sch
図 2.37: プレート電流の増加(自己バイアス)
Image 2A3_self_wf1

定常状態になった後のプレート電圧および電流の平均値は, 図2.38のとおりで, 図2.35に示した値とほぼ一致しています.

図 2.38: プレート電流の増加(自己バイアス: 70ms-80ms)
Image 2A3_self_wf2

なお,自己バイアスの場合は,最大出力時にバイアスが深くなるため, グリッド電圧が 0V に達するには, 当初のバイアスよりも大きな入力電圧を加えることになります. 一般に,メーカーのデータシートに記載されている入力電圧は, 連続最大出力時のものです. 今回の2A3の場合は, -45.04 V まで入力を加えることができ, 多少,出力が増えます.

プレート電流の増分を求めます(図2.39).

図 2.39: プレート電流の増加を求める(自己バイアス)
\begin{figure}\input{figs/se_self_Ip}
\end{figure}
Xは,動作点Oに対応した信号入力時の平均プレート電圧・電流の点で, 平均プレート電流と動作点の電流の差 $ \Delta$Ip' は, 信号入力時にカットオフまでスイングされると仮定すれば, 歪率を D とすると

$\displaystyle \Delta$Ip' = DIp0 (2.71)
で表せます. このときのプレート電圧の変化 $ \Delta$Ep' は,

$\displaystyle \Delta$Ep' = $\displaystyle \Delta$Ip'RL (2.72)
となります.

平均プレート電流が増えることにより, バイアスが深くなり,プレート電流を減らそうとします. また,時間の経過とともに,プレート電圧の平均値は カソード抵抗による直流ロードラインOX'上に戻ります. 平衡状態では,動作点がO'に移動し, そのときのプレート電圧・電流の平均値はX'となります. このときの静止時のプレート電流からの増分を $ \Delta$Ip とすると, グリッド電圧の変化は $ \Delta$Eg = - $ \Delta$IpRk で, プレート供給電圧もこの分だけ下がります. OとXの差と,O'とX'の差はほぼ変わらないと見なせるので,

BO' = $\displaystyle \Delta$Ep' = $\displaystyle \Delta$Ip'RL (2.73)
BX' = $\displaystyle \Delta$Ip' (2.74)

となります. また,三定数の定義より,

OD = - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg (2.75)
ですから,
CD = - (1 + $\displaystyle \mu$)$\displaystyle \Delta$Eg - $\displaystyle \Delta$Ip'RL (2.76)
O'C = $\displaystyle \Delta$Ip' - $\displaystyle \Delta$Ip (2.77)

となり, 内部抵抗の定義から,
rp = $\displaystyle {\frac{{\rm BC}}{{\rm O'B}}}$  
  = $\displaystyle {\frac{{-(1 + \mu) \Delta E_g - \Delta I_p' R_L}}{{\Delta I_p' - \Delta I_p}}}$  
$\displaystyle \Delta$Ip'rp - $\displaystyle \Delta$Iprp = (1 + $\displaystyle \mu$)$\displaystyle \Delta$IpRk - $\displaystyle \Delta$Ip'RL  
{rp + (1 + $\displaystyle \mu$)Rk}$\displaystyle \Delta$Ip = (rp + RL)$\displaystyle \Delta$Ip'  
$\displaystyle \Delta$Ip = $\displaystyle {\frac{{D I_{p0} (r_p + R_L)}}{{r_p + (1 + \mu) R_k}}}$ (2.78)

となります.

この例の場合は,歪率を5%とすれば,

$\displaystyle \Delta$Ip = $\displaystyle {\frac{{0.05\cdot 0.06 (809 + 2500)}}{{809 + (1 + 4) 725}}}$ = 2.24 [mA]

となります.

2.5.3 負帰還をかけた場合(固定バイアス)

シミュレーションの回路は,図2.40です.

図 2.40: 固定バイアスに負帰還をかけた場合
Image 2A3_fix_NF_sch

電圧制御電圧源E1が電圧増幅段のゲインを表しています. R2とC2は位相補償の目的で入れています. E2は位相補償用の素子の特性を乱さないためのバッファです. $ \beta$ 回路はR3とR4で構成されており, 約 20dB の負帰還がかかっています.

各部の電圧,電流は,図2.41のようになります.

図 2.41: 固定バイアスに負帰還をかけた場合の波形
Image 2A3_fix_NF_wf1

グリッド電圧の波形は,図2.42のように, 最大値が -0.19 V ,最小値が -91.29 V , 平均値が -43.5 V です.

図 2.42: 固定バイアスに負帰還をかけた場合の波形
Image 2A3_fix_NF_wf3
負帰還により,プレート電圧やプレート電流の波形が正弦波になるよう, グリッド電圧の波形は負側に伸びた,2次歪みを含んだものになります.

波形より,基本波および第二次高調波の振幅を求めます. 式(2.15)および 式(2.20)を使います.

f = $\displaystyle {\frac{{\vert E_{g\min}\vert - \vert E_{g\max}\vert}}{{2}}}$ = $\displaystyle {\frac{{91.29 - 0.19}}{{2}}}$ = 45.55 [V] (2.79)
h2 = $\displaystyle {\frac{{\vert E_{g\min}\vert+\vert E_{g\max}\vert}}{{2}}}$ - | Egavg| = $\displaystyle {\frac{{91.29 + 0.19}}{{2}}}$ -43.5 = 2.24 [V] (2.80)

この値から,歪率は,

D = $\displaystyle {\frac{{h_2}}{{f}}}$ = $\displaystyle {\frac{{2.24}}{{45.55}}}$ = 0.049 (2.81)
となります. 信号の位相が 0 のときのグリッド電圧は, - (43.5 - 2.24) = - 41.26 V となります.

プレート特性図上で,この変化を表したものが, 図2.43です. 上記の計算は,2次歪みのみを考えていますので, シミュレーションの数値とは必ずしも一致しません.

図 2.43: 固定バイアスに負帰還をかけた場合のロードライン
\includegraphics{figs/trise_ll_fix_NF.ps}

動作点はX'に移ります. Y'は信号入力時の平均グリッド電圧に対するプレート電流です(あまり意味はありません). 負帰還によりグリッド電圧が低い部分(B')まで使っているので, 無帰還時と比べて出力が増えます. さらに,グリッド電圧が2次歪みを持つことにより, グリッドバイアスが浅くなるので,プレート電流が増え, 最小プレート電流がそれほど小さくならず, 無信号時のプレート電流をもう少し絞ることができそうです. ただし,あまりプレート電流を絞りすぎると, いきなりフルスイングしたときにカットオフしてしまうので, この場合でしたら 5mA 程度絞るのが限界です.

プレート電流の増分を求めます(図2.44).

図 2.44: プレート電流の増加を求める(固定バイアス,負帰還)
\begin{figure}\input{figs/se_fix_NF_Ip}
\end{figure}
動作点がOのときに,フルスイングした場合のグリッド電圧の平均値は Eg0 + $ \Delta$Eg であり, 時間の経過とともに,無信号時のグリッドバイアス Eg0 に戻ろうとします. 一方,プレート電圧の平均値は, 出力トランスの巻線抵抗を無視すれば,無信号時とは変わらないので, ロードラインはそのまま上にシフトして, 直線X'Y'となります. プレート電流の増分は,グリッド電圧の変化,すなわち |$ \Delta$Eg| gm を掛けたものであり,

$\displaystyle \Delta$Ip = gm|$\displaystyle \Delta$Eg| = gmD| Eg0| (2.82)
となります.

この例の場合,歪率は約5%で,グリッドバイアスが -43.5 V gm = 4980 mS ですから, プレート電流の増分は,

$\displaystyle \Delta$Ip = gmD| Eg0| = 0.00498 x 0.05 x 43.5 = 10.8 [mA] (2.83)
となって,シミュレーションの結果とほぼ一致します.

2.5.4 負帰還をかけた場合(自己バイアス)

シミュレーションの回路は, 図2.45です.

図 2.45: 自己バイアスに負帰還をかけた場合
Image 2A3_self_NF_sch

各部の電圧,電流は,図2.46のようになります.

図 2.46: 自己バイアスに負帰還をかけた場合の波形
Image 2A3_self_NF_wf1

グリッド電圧の波形は,図2.47のように, 最大値が -1.03 V ,最小値が -94.79 V , 平均値が -45.17 V です.

図 2.47: 自己バイアスに負帰還をかけた場合の波形(199ms-200ms)
Image 2A3_self_NF_wf3

グリッド電圧の波形より,基本波および第二次高調波の振幅を求めます.

f = $\displaystyle {\frac{{\vert E_{g\min}\vert - \vert E_{g\max}\vert}}{{2}}}$ = $\displaystyle {\frac{{94.79 - 1.03}}{{2}}}$ = 46.88 [V] (2.84)
h2 = $\displaystyle {\frac{{\vert E_{g\min}\vert+\vert E_{g\max}\vert}}{{2}}}$ - | Egavg| = $\displaystyle {\frac{{94.79 + 1.03}}{{2}}}$ -45.17 = 2.74 [V] (2.85)

この値から,歪率は,

D = $\displaystyle {\frac{{h_2}}{{f}}}$ = $\displaystyle {\frac{{2.74}}{{46.88}}}$ = 0.058 (2.86)
となります. 信号の位相が 0 のときのグリッド電圧は, - (45.17 - 2.74) = - 42.43 V となります.

プレート特性図上で,この変化を表したものが, 図2.48です. 上記の計算は,2次歪みのみを考えていますので, シミュレーションの数値とは必ずしも一致しません.

図 2.48: 自己バイアスに負帰還をかけた場合のロードライン
\includegraphics{figs/trise_ll_self_NF.ps}

プレート電流が 60mA から 62.31mA に増えることにより, バイアスが - 43.5V から -0.06231 x 725 = - 45.17 V になります. これがグリッド電圧の平均となるように, 位相0におけるグリッド電圧は,- 42.57V になります.

プレート電流の増分 $ \Delta$Ip を求めます(図2.49).

図 2.49: プレート電流の増加を求める(自己バイアス,負帰還)
\begin{figure}\input{figs/se_self_NF_Ip}
\end{figure}

静止時の動作点Oに信号を加えると, 平均のグリッド電圧は Eg0 + $ \Delta$Eg' となります(点Y). グリッド電圧の変化分は,グリッドバイアス Eg0 と歪率 D から求められ,

$\displaystyle \Delta$Eg = DEg0 (2.87)
となります. Y点のプレート電圧の変化を $ \Delta$Ep' とすると,

$\displaystyle \Delta$Ep' = - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg'$\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p+R_L}}}$ (2.88)
となります. プレート電流の変化 $ \Delta$Ip' は,

$\displaystyle \Delta$Ip' = - $\displaystyle {\frac{{\Delta E_p'}}{{R_L}}}$ = $\displaystyle {\frac{{\mu \Delta E_g'}}{{r_p+R_L}}}$ (2.89)
となります.

時間が経過すると,グリッド電圧の平均値は当初の電圧 Eg0 に戻ろうとしますが, グリッド電圧が上昇するため,プレート電流が増加します. プレート電流が増加するとグリッドバイアスが深くなるため, グリッド電圧が Eg0 + $ \Delta$Eg のところで平衡します. このとき,プレート電圧と電流の平均値はX'となり, グリッド電圧の平均値の点はY'となります. このX'とY'の電圧と電流の差は, 静止時のOとYの差と等しいと見なせますから,

BY' = $\displaystyle \Delta$Ep' (2.90)
BX' = $\displaystyle \Delta$Ip' (2.91)

となります. プレート電流が $ \Delta$Ip 増えると, グリッド電圧が $ \Delta$Eg = - $ \Delta$IpRk 変化し, プレート電圧も $ \Delta$Eg 変化します. 直線OX'の傾きは -1/Rk です. また,三定数の定義より

OD = - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg (2.92)
となります. これらの関係から,
CD = AO + OD - BY'  
  = - $\displaystyle \Delta$Eg - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg + $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg'$\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p+R_L}}}$  
Y'C = $\displaystyle \Delta$Ip' - $\displaystyle \Delta$Ip  
rp = $\displaystyle {\frac{{\rm CD}}{{\rm Y'C}}}$ = $\displaystyle {\frac{{-(1 + \mu) \Delta E_g + \mu \Delta E_g' \frac{R_L}{r_p+R_L}}}{{\Delta I_p' - \Delta I_p}}}$  
$\displaystyle \Delta$Ip'rp - $\displaystyle \Delta$Iprp = (1 + $\displaystyle \mu$)$\displaystyle \Delta$IpRk + $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg'$\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p+R_L}}}$  
{rp + (1 + $\displaystyle \mu$)Rk}$\displaystyle \Delta$Ip = - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg'$\displaystyle {\frac{{R_L}}{{r_p+R_L}}}$ - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg'$\displaystyle {\frac{{r_p}}{{r_p+R_L}}}$ = - $\displaystyle \mu$$\displaystyle \Delta$Eg' = - $\displaystyle \mu$DEg0  
$\displaystyle \Delta$Ip = $\displaystyle {\frac{{\mu D \vert E_{g0}\vert}}{{r_p + (1 + \mu) R_k}}}$ (2.93)

となります. この例の場合は,

$\displaystyle \Delta$Ip = $\displaystyle {\frac{{4.0 \cdot 0.058 \cdot 43.5}}{{809 + (1 + 4) 725}}}$ = 2.28 [mA]

となり,シミュレーションの結果とほぼ一致します.

ayumi
2016-03-07